
発達に凸凹があるお子さん保育園・幼稚園の入園を考えた時、入園を断られたらどうしよう、どこに相談すれば良いの?と心配にもなり、不安に感じている方もいるでしょう。
入園後は、園に対して、個別の配慮をお願いすることができるのでしょうか?
この記事では、発達凸凹児(発達障害児)は入園ができるのか?断られる場合があるのかについて書いていきたいと思います。
発達障害があることで入園を断られることがある?
残念ながら答えはYESです。
発達の特性にもよりますが、発達凸凹児の場合集団での活動において配慮や手助けが必要な子も多いでしょう。
1クラスの子どもの人数と配置されている先生の数にもよりますが、発達に課題のある子に手をかけることで、クラス全体の安全を守ることが出来なかったり、クラス運営に支障がある場合などもあるかもしれません。
そのため対応が難しいと判断され、特に幼稚園では入園を断られる場合があるのは事実です。

平成 28 年度の保育所入所申請時点において、回答市区町村のうち、6 割弱の市町村において、障害児やその疑いのある子ども、いわゆる「気になる子」のうち、いずれかの保育所に入所できた、とのことであったが、約 4 分の 1 の市区町村では、保育所に入所できなかった子どもがいたとのことであった。
回答市区町村において約 4 分の 1 の市区町村に入所できなかった「障害児やその疑いのある子」や「凸凹のある子」いるなんて・・。
自治体の規模別にみると大規模自治体において入所できなかった子どもがいたという回答の割合が高いことがわかります。
ただし、調査対象のお子さんには特別な医療的ケアの必要な障害を持つお子さんも含まれ、保育所より専門性の高い機関への通所が望ましかったという理由もあるのかもしれません。

発達障害児が園で受けられるサポートはあるの?
園では「障害児保育」を行っているところや、「加配」の先生をつけサポートをしてくれるところもあります。
障害児保育には、統合保育と分離保育の2種類があり、肢体不自由・視覚障害・聴覚障害・知的障害・発達障害などの障害を持つ子どもと障害のない子どもを一緒に集団で保育するのが統合保育。
一方、分離保育は、障害を持つ子どもたちに対して、障害に応じたサポートや個別的な保育を行うところです。
加配について
加配はその言葉からも分かるように、規定の保育士人数にプラスして配置され、障害を持った子どもが支障なく保育園生活を送るための手助けを行います。
厚生労働省が定める保育士の人数は保育所の場合0歳児3名、1~2歳児6名、4歳児20名、4~5歳児30名につきそれぞれ保育士1名以上の配置となっています。
発達障害児の保育を行う場合、個別の対応が必要な時もあり、通常の保育士の配置基準の中だけでは本人にとっても他の園児にとっても適切な保育が行うことができない場合もあるでしょう。
そういった状況を防ぐために、発達に凸凹があり園の生活を送ることに難しさがある子どもに大人がつき、生活面や集団参加をサポートをしてくれる制度が加配制度です。
公立幼稚園でも、多くの自治体が加配制度を採用しています。(私立幼稚園も加配申請により市町村から補助金が出ますが、補助金だけでは加配教諭の雇用に至らないことも多いようです。)
・トイレや食事のサポート
・お友達との関わり方で困った時や指示が入りにくく他の子と同じ様に行動できない時などのサポート
・保護者の不安や悩みに関するアドバイスを行う
発達障害児がサポートを受けるにはどうしたらいいの?
特別な配慮が必要な子どもを受け入れる基準は、障害者手帳の有無、特別児童扶養手当対象者かどうか、また医師等による診断を受けていることなどを条件としてるところがあるなど、自治体や園によって違いがあります。
さらに保護者からの申請によって加配行う園や、申請がなくても保育所独自に加配を行っている園などその手続きにも違いがあるようです。
(加配制度の利用には保護者の自己負担はありません。)
加配の申請を視野に入れている場合は、入園前に直接園に加配制度を利用について確認を行うことが大切です。
加配を利用した方、加配をすすめられた方の声
加配をつけてもらって良かった!
うちの子が加配が必要だと思われるなんて納得いかない!
加配をつけてもらえなくて困っている。
加配をつけてから甘えが出るようになった。
加配のおかげで自立できたことが多い。
意見も様々です。
「園側から保護者に対して突然加配の申請をするよう依頼があった。」なんて話も聞きました。
状況にもよるとは思いますが、園からのそのような ”突然” の依頼は、保護者にとって驚きや戸惑い、怒りなど様々な感情が沸き上がってきて当然のことだと思います。
「突然」の依頼なんてことのないように、園と日ごろから子どもの様子について共有できると有難いなと思います。
発達障害児のための加配申請の注意点
加配を希望する場合は、医師からの書類等が必要な場合が多いため、申請にあわせて医療機関の受診等のスケジュールを組むことが大事です。
予約が取りにくい病院もあるかと思うので、それぞれの自治体の申請時期に間に合うよう書類発行までに余裕を持ってスケジュールを組むと安心です。
保育園・幼稚園選びのポイント まとめ
通う園が発達障害に対して理解があることで、お友達とのトラブルの際など他の保護者との間に入っていただいたり、行事の参加の方法などにも配慮していただけることも多いので、園選びはとても大切だと思います。
まずは通える範囲の幼稚園に問い合わせてみましょう。
残念ながら、電話で発達の偏りについて話をした時点で断られたという話も聞きますが、発達の凸凹の特性はお子さんおひとりおひとり違いますので、「発達障害児は断られる」という情報がある園でも、一度問い合わせてみることをおすすめします。
入園当初はなじめなくても成長と共に集団生活になれていくことや、感情のコントロールが出来るようになる場合もあります。
お子さんのペースに合わせて配慮してくれる園を選びたいですね。
もし入園はしたものの、凸凹に理解が得られず親子ともに通いづらさを感じるようであれば、転園を検討することも必要だと思います。
発達に凸凹のある子どもが通いやすい園に出会えることを願っています。